ボクはハンバーグが苦手サメ。理由はお母さんがよく作ってた料理…

おくびょうなサメ

2025年12月11日 19:41

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ボクはハンバーグが苦手サメ。理由はお母さんがよく作ってた料理だからサメ。ボクのお母さんが作るハンバーグはお肉を捏ねて成形した後、熱々のオーブンに入れて1時間くらい焼いたカチカチの何の味もしないハンバーグだったサメ。別にそれが嫌いだからってわけじゃないサメ。ボクの家ではハンバーグは夕飯に出て来る料理だったサメ。そしてボクの家の夕飯は家族が集まって一緒のタイミングで一緒に食べなきゃいけない時間だったサメ。それがどんなに苦痛だったか。ボクの両親は顔を合わせる度にいつも喧嘩していたサメ。お父さんはいつもお母さんの料理に文句を言っていて、共働きで忙しいのに作ってくれたハンバーグにもいつも硬いとか1番大きいやつを寄越せとか威張り散らしてたサメ。そればかりかお父さんは家族の言動が自分の気分に合わないと怒鳴ったり脅したりするひとだったサメ。小さなボクは両親には逆らえないし、大嫌いなお父さんのご機嫌を何で自分が取らなきゃいけないんだろうとか、どうして理不尽なことでお父さんがボクを怒鳴りつけるのにお母さんは一言も庇ってくれないんだろうとか、お父さんの機嫌を取るのが上手いお姉ちゃんは真っ先に食事を終わらせてボクを置き去りにしてしまうんだろうとか。たくさんたくさん我慢していたサメ。カチカチのハンバーグは子供のボクには口の中を怪我するくらい硬くて、そんな時間から早く逃げようと急いで食べるとそれを槍玉にまたお父さんに怒鳴られて。本当に、本当にいい思い出が無い料理サメ。今はカチカチのハンバーグじゃなくて市販のレトルトのジューシーで美味しいハンバーグを食べているサメ。でも、お肉の香り、脂の香り、焼けたひき肉の舌触りがそんな最悪の子供時代を思い起こさせて食べる度に後悔するサメ。他人に出してもらった物だから有り難く食べるサメ。でも、自分で用意するなら絶対に買わないサメ。 唯一食べられるハンバーグがあるサメ。おばあちゃんが作ってくれた小ネギのハンバーグ。お味噌とお醤油が入っていてオーブンじゃなくてフライパンで焼いて、砂糖とケチャップとウスターソースを混ぜて煮込んだちょっと甘いハンバーグ。ボクが小学生に上がってから家の留守番をするために9年間家まで通ってくれたボクのおばあちゃん。よくおばあちゃんがバスでおうちに帰る時、お泊りしたいって言ったらおいでよって言ってくれたサメ。夕暮れのバスに揺られて一緒におばあちゃんの家まで着いて行ったサメ。子供の頃にそんな自覚は無かったけれど、ボクにとっておばあちゃんちのお泊りはあの地獄から離れられる唯一の居場所だったサメ。ボクを怒鳴りつけて来る人も無視する人も置き去りにする人もいない、静かで何にも怖がらなくて良い場所だったサメ。おばあちゃんの作るネギハンバーグだけは今まで食べたどんな美味しい料理よりも記憶に残っているサメ。 でも、もうおばあちゃんは料理をやめちゃったサメ。 自分で作るネギハンバーグはあんまり美味しく無いサメ。 ボクはハンバーグが苦手サメ。

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