元カレと別れた後、私は一人で寂しく眠り、 悪夢を見て目覚める毎日を送っていた。 朝の支度をする鏡の前に立つたびに、 元彼に頭がいっぱいになる。 うんざりだった。 だから、それをかき消すような 別の恋を探していたんだ。 元彼を思い出さなくていい時間、 他の誰かのことを想っている時間が欲しくて。 そして、彼でなくても私の体を満たしてくれる人がいると思いたかった。 でも、いまだに「仲直りセクス」以上のものは得られていない。 ただ「女であるこの肉体を求められている」ことでさえ、安心できていた。 それに、ヤリ捨てされるどころか、 男の方が執着してくることが多かった。 それらの執着に飽き飽きして、 そっと離れようとすると、 「こんなにしてやったのに」と 吐き捨てられることもあった。 私はそれらの執着を望んでいないし、 してもらったことの対価は返しているつもりだ。 それに、それらの執着は 「本当の私なんて見えてないのに、 私を理想化しないで」と感じさせる。 虚無。 私はわりと、ミえる人で だからこそ同じくらい 私をミて欲しいとおもっている。 でも、そんなの無理なこともわかっている。 長い時間をかけ、 相手が自分と共に辛い思いを経て、 やっと自分の辛さを本質的に理解するのだ ということに、納得ができていない。 性に関しても、少しずつ合っていくものだけど、 もっと深くなりたいと思うほど、 楽しいと思えない。 とにかく、 誰かと痛みを共有することが怖い。 誰かを傷つけることも、傷つけられることも。 ふと、一人になると、傷跡が疼く。 だから、恋をしていたいけど、 愛を育んでいく覚悟なんてない。 そんな私を、 誰かがいつか愛してくれるのだろうか でも、少なくとも、いまは 鏡の向こうの自分は、美しい。 それだけで、素晴らしいことだとおもう。