なんだかドラマのベタな展開でありそうなお話です。少し…

はじめ

不明

2024年9月3日 14:27

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なんだかドラマのベタな展開でありそうなお話です。 少し前の画塾帰りの事です。 駅を乗換えるために外に出ると、台風10号が近づいてるのもあるせいか、土砂降りだったんです。 駅から駅まで、50m程しかないのですが、かなり大粒の雨で、乗車する前にずぶ濡れになるのはなぁ…と嫌々折りたたみ傘を取り出していました。 すると、同じく隣でリュックサックをゴソゴソしていた20代前半くらいの男性が、サッと覚悟を決めたようにリュックサックを頭に乗せて歩き出したんです。 先程も申し上げた通り、かなりの大粒の雨。その防御はあまりにも心もとなすぎるでしょぉがぁ?!?!と度肝抜かれ、迷った挙句、イヤホンをしている彼の肩を軽く叩き、 「あの、そこの駅までですか?傘入ってください!」 と声をかけました。 人のために手助けをするというのは、いつも恥ずかしくて、さりげなぁく助けてはササッと逃げる日々を過ごしていましたので、傘を分け合うという状況にものすごくドキマギしていました。 そんなナヨナヨした自分が、こんな行動をとったのには過去のことが関係していました。 「優しいですね」 と言われ、感謝のひとつ言えばいいのに、咄嗟に私は 「昔私も見知らぬおばちゃんにこうして助けられたので!」 と答えました。 高校2、3年のころだったか、登下校をする際、自転車を利用していた私は、土砂降りの中、傘を差して運転することも出来ず、まあいいや、と信号の色が変わるのを待っていました。そこで、 「ちょ、あなたずぶ濡れじゃない?!傘ないの?……ンー…せめて信号変わるまで入っときなぁ?」 とたまたまそこにいただけの、面識のないおばさんが私に傘を傾けてくれました。 The大阪のおばちゃんといいますか、地元の暖かさはこういうところにあるよなぁと思いつつ。 信号が変わり、おばさんに感謝を述べて、自転車を猛スピードで漕ぎながら、その方の純粋なる優しさに、雨の中だというのに嬉しさと高揚感ではしゃいでいました。 きっとそんな過去がなければ、私はこうして彼に傘を差し出そうとせず、見て見ぬふりをして通り過ぎたと思います。おばちゃんが私の背中をぽんっと押してくれました。 「じゃあ、次僕もそうします」 と笑う彼は、なんというか、どこぞの漫画の主人公であるデ〇やら炭〇郎があって、眩しいなぁ……と感じました。 彼は美大卒だそうで、私も美大を目指す身として、え、もっと話したい!とワクワクしましたが、駅と駅の間は、たったの50m。 いや50mもなかったのかもしれません。 名前も聞かず、そのまま別れてしまいました。 その人の作品見たかったなぁ……陶芸かなぁ……油画かなぁ……と悔しい気持ちがありつつも、自分が見知らぬ人に傘を差し出すという普段の私からは想像もつかないイレギュラーな出来事に、車内ではテンションを抑えるのに必死でした。 ドラマ好きの母はそれを聞いて、 「あんた……それ1週間後、画塾の新しい講師でその人来るよ?!?!」 と言ってましたが、その人の行っていた美大の地名と、私の行きたい所は県違いであり、画塾でとっているコースも私の行きたい大学にだけ視野をあてたものなので 「それはありえないでしょ……」 と言いつつ、もしそうなったら次こそはその人の作品見てみたいなぁ、とふけっていました。

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