1話 秘密の友達(前編)※アンチは受け付けません。温かい目…

トプシー

15歳

2024年3月5日 15:37

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1話 秘密の友達(前編) ※アンチは受け付けません。温かい目で見ていただけると嬉しいです  これは,ある国の話。森と海に囲まれた自然豊かな国に王子が生まれました。王子の名前はルクス。この王子の誕生に国のみんなは喜んだのでした。ルクスが生まれて5年後のある日。ルクスは天然痘というとても重い病気にかかりました。その当時,その病気は死ぬ恐れがあると言われていたのです。幸いにもルクスは一命を取り留めたものの,右目がただれ,誰もが目を背けたくなるような目になってしまいました。ルクスの母親と家来のみんなはそんなルクスのことを避けるようになっていき,ルクスの弟ばかり可愛がるようになりました。もともと気弱な性格のルクスは更に引っ込み思案が悪化。ついには人前に出るのを嫌がり,よく部屋でひとりで泣くようになりました。「グスッなんでこんな目に遭わなきゃいけないの。ひとり怖いよ。誰か助けて,,,」ルクスが6歳になった年のこと。ルクスに家庭教師が来ました。ルクスは父親の背中の後ろに隠れながら着いてきました。その家庭教師の顔は鬼のように怖い顔をしていました。「どうもこんにちは。遠い所からわざわざありがとうな」ルクスの父親が笑顔で家庭教師を出迎えました。怖い顔をした家庭教師も笑顔になり,「こちらこそ,王子の家庭教師になれて光栄です。ところで,ルクスという王子はこの方ですか?」家庭教師はルクスを見るとしゃがみ,ルクスと目を合わせました。「あなた様がルクス王子ですか?はじめまして。私はティグレと申します。お見知りおきを」ティグレという家庭教師もルクスに笑顔を向けました。自分の目を見て話してくれたティグレにルクスは「この人なら信頼できる」と心を許すのでした。こうして,怖い家庭教師ティグレによる指導が始まったのでした。ルクスは次第にティグレのおかげで少しずつポジティブな性格になっていき,笑顔を見せるようになりました。時は流れ,様々な色とりどりの花が咲き乱れるある夜のこと。この時,ルクスは9歳。「父上,おやすみなさい」「おやすみルクス」寝る前の挨拶を交わしたルクスはひとりで廊下を歩き,自分の部屋に向かいました。寝る準備も整え寝ようとしたその時,天井から何かが落ちてきました。「うわぁ!?何!?」ルクスはベッドから降り,落ちてきたものに駆け寄りました。「,,,キュウ」「?キュウ?」ルクスが触れようとした時,廊下からたくさんの足音が聞こえてきたので,ルクスは慌てて落ちてきたものを布団で隠しました。「王子!大丈夫ですか!?」「え?大丈夫だけど,どうしたの?」「いいえ。なんか凄い物音が。気のせいか」家来達がゾロゾロ自分の部屋から出て行った後,ルクスは布団を外しました。その落ちてきたものはなんと,宝石のように美しく輝く,瑠璃色の竜の子供なのでした。「えっと,,,や,やぁ?」「,,,え,喋った!?」これがのちに,竜と友達になるきっかけなのです

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