愚痴の聞き方

愚痴の聞き方トピック

人と話すとき頻繁に登場するのが愚痴です。愚痴は良くないものだというイメージを持っている方がいるかもしれませんが、コミュニケーションの手段として悪いものではありません。愚痴を話せばスッキリするし、愚痴を言い合う人同士の関係性が深まったりすることもあります。

そんな愚痴ですが、扱い方を間違えると人間関係にヒビが入ってしまうことがあります。特に大事なのが愚痴の聞き方です。愚痴の聞き方にはコツがあります。良好な人間関係を続けるためにも、愚痴の聞き方を知っておいて損はないでしょう。今回は聞き上手になるための「愚痴の聞き方」を伝授します。

聞き上手は人間関係を円滑にします

上手な愚痴の聞き方

1.話を聴く

愚痴を聞くときの一番のポイントは相手の話を聴くことです。何を当たり前のこと言ってるんだと思うかもしれませんが、これが意外と難しいです。

  • どんな内容でも必ず相手が話し終えるまで聴く
  • 適度にうなずく
  • 適度に相槌を打つ
  • 基本的に自分の意見やアドバイスは言わない

愚痴を言う人はとにかく自分の話をしたいという気持ちを持っています。裏を返せば、聞き手の意見はどうでも良いのです。聞き手はとにかく聞き手に徹することが大事です。

単純かつ難しいのが「どんな内容でも必ず相手が話し終えるまで聴く」ことです。例えば、自分が一切共感できない話をされたとき、絶対に間違っている内容が出てきたとき、思わず感情的になったとき、それでも相手の話を遮らずに話を聴くことができますか?

聞き手が何も話せないわけではありません。基本的に愚痴に対する意見やアドバイスは不要ですが、どうしても言いたいことがあれば言っても良いです。しかし、まずは相手が言いたいことを全部言わせましょう。「話が正しいか正しくないか」「聞き手がどう思っているか」というのは重要ではありません。まずは相手の話を聴く、それが聞き上手になるためのもっとも重要なコツです。

 

2. 共感する

話に共感することが愚痴を聞くときコツです。誰にでも当てはまることですが、人から共感してもらえるのは嬉しいことです。自分が不満に思っていることを発散するために愚痴を言うため、内容に共感してもらえると話し手が安心感を得られ、会話も人間関係もスムーズになります。

相手の話に対して「そうなんだ」「なるほど」「それはツラい」という相槌を打ったり、相手の話をそのまま繰り返すことも有効です。

相手の話に対して否定的なことは言わない方が良いです。言いたがりな人は「え、でもそれって違うんじゃない?」「そこはこうした方が良いでしょ!」とグイグイ話してしまいがちですが、聞き手としてはおすすめできません。ツッコミを入れたくなった場合でも、あくまでも相手の気持ちを優先しつつ「こういう考え方もあるんじゃない?」「それはこうかもね」というように、否定ではなく別角度からの意見として言うのが良いでしょう。

 

3. 質問する

聞き上手な人だと思われやすくなるためのコツは質問をすることです。相槌を打っているだけでは話を聴いている感がないと思われてしまう場合がありますが、質問をすれば「自分の話に興味を持ってくれている」ということを暗にアピールすることができます。

質問をするという技術は簡単かつ効果的で、特にコミュ症の人におすすめです。極端にいえば自分の話を一切しなくてもコミュニケーション上手になれます。相手の話をしっかりと聞き、話の中で出てきた不明点を素直に質問したり、話題に付随する質問をします。質問をすればどんどん相手から話を引き出すことができ、相手は自分の話ができて嬉しい、自分も特に積極的に話題を出す必要がなくて話しやすいという状態になります。「それでそれで?」「それってつまりどういうこと?」「前もそんなことなかったっけ?」というように、相手の話をもっと聞きたいということが伝わるような質問をすると相手が話しやすくなります。

 

4. 話の本質を理解する

聞き手のモチベーション的なコツとして、話の本質を理解することは大事です。「女性は共感してほしいだけ、男性は解決方法を知りたいだけ」ということを聞いたことがあるかもしれませんが、まさにこれです。愚痴の内容はさておき、そもそも相手が何を求めているのかを理解するように努めましょう。相手が求めるモノによって聞き手のアプローチが変わります。「話を聴いて共感する」という基本的なアプローチは同じですが、相手が悩んで行き詰まっている状況であれば解決策をアドバイスしてみたり、あれやこれやと不満を言っている状況であればひたらすら聞き手に徹して自分の意見は言わないようにしましょう。相手の気持ちを考え、相手が求めるものを理解することはとても大事です。

 

愚痴を聞くとき、これだけはNG

人の愚痴を聞くときに注意したほうが良いことがいくつかあります。

1. 話を聞かない

相手の話を聞かないことはNGです。愚痴に限った内容ではありませんが、人が話しているときには耳を傾けましょう。話をさえぎったり、途中から自分の話をするのもNGです。どうしても言いたいことがあったとしてもまずは相手が話し終えるまで待つことが大事です。また、愚痴を聞く場合は傾聴を意識しましょう。耳で聞くだけでなく、心も相手に向けて聞くことで丁寧に話を「聴く」ことができます。

 

2. 否定する

愚痴を聞く場合、否定することは言わないのが得策です。話し手に対して「それはあなたが間違っている」というのはもってのほかです。さらに、話題の中で誰かの悪口が出てきたとしても、その相手を一緒になって否定するのはあまりおすすめできません。「Aさんって性格悪いよね」と話題になった場合、「私もそう思ってた!本当に嫌い!」と反応すれば話し手は嬉しい、聞き手も共感できて嬉しいと感じるかもしれません。しかしそこで共感すると、不満がさらに大きく感じてしまったり、Aさんと関わりづらくなってしまったり、あまり良くない負のサイクルが生まれてしまう可能性があります。良き聞き手であれば、悪口が出てきたとしても自分の意見や気持ちは置いておいて「それはひどいね」「そんなことがあったんだ」というようにあくまでも相手の気持ちに寄り添った発言をします。このような対応をすれば不満が必要以上に大きくなるのを防げるますし、話し手の気持ちをより理解することができます。

 

3. 非常識な行動をとる

話を聞くのが下手な人は、時として非常識な行動をとります。よくあるのがスマホをいじりながら話を聞くことです。ちょっとした雑談であればスマホをいじりながら聞き流すことも問題ありませんが、愚痴を聞く場合は「ながら聞き」はやめましょう。たとえくだらないと感じる内容の話でも、本人にとっては聞いてほしい話なのです。相手の気持ちに寄り添うためにも真摯に聞きましょう。

話を聞くときの態度にも気をつける必要があります。例えば相手が話している最中に足を組んだり、肘をついたり、あくびをしたりすることはおすすめできません。しっかり聞いている場合でもそのような行動をとってしまうと、話し手が「自分の話に興味がないのかも」と感じてしまいます。特別な態度をとる必要はありませんが、あくまでも常識的な行動を心がけましょう

 

愚痴を聞きたくないときの対策

聞き上手な人ほどいろいろな人から相談をされたり、同じ人から何度も愚痴を聞くことになったりします。それでは愚痴を聞きたくないときはどうすれば良いでしょうか?

「愚痴はできるだけ聞いてあげてほしい」という正論は一旦おいておき、愚痴を聞きたくないときの対策を挙げていきます。

1. 話をする環境に身を置かない

愚痴を回避する最善の策は話をしないことです。一度会話が始まってしまうと途中で止めることは難しくなるため、愚痴を聞きたくないときはそもそも話をしないという予防策を講じるのが良いでしょう。露骨な表現をするなら、その人を避ければOKです。愚痴っぽい人というのは何かにつけて愚痴を話してきます。普段は大丈夫でも、疲れているときに愚痴を聞くと気分が落ち込んでしまうこともあります。「今日は愚痴を聞きたくない」と思うのであれば、愚痴っぽい人と一緒の空間にいるのを避けてみましょう。自分も相手も人間なので、お互いが負担にならない範囲で関係を続けていくのが良いでしょう。

 

2. 素直に断る

愚痴を聞きたくない場合は素直に断るという手もあります。相手が愚痴を話していて長くなりそうだと思ったら、途中で話に割り込んで「ごめん、今日はネガティブな話はちょっと…」と正直に言いましょう。話すのが好きな人は無限に喋ることができるので、話に割り込むのも致し方ありません。調子が良いときにまた話を聞くと伝えれば相手も納得してくれます。特に愚痴を話す人は「こんな話を聞いてもらって申し訳ない」という気持ちが少なからずあります。そのため無理なときは無理と言ってしまえば、お互いの関係が下手にこじれることはないでしょう。

心に余裕がないときや同じ話を何度も聞いている場合など、話を聞くのがイヤだと感じることがあっても不思議ではありません。そんなときは遠慮なく手を打っていきましょう。

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