燃え尽き症候群とは?回復するにはどうしたらいい?

燃え尽き症候群健康・症状

物が燃え尽きると跡形もなくなってしまうように、人の心も「燃え尽きる」ことがあります。この記事では、燃え尽き症候群とはどんなものかを説明していきます。

燃え尽き症候群とは?

燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)とは、それまで物事に意欲的だった人が、やる気を失う症状のことです。ずっと目指していた目標を達成したとき、一生懸命努力したのに報われなかったときなどのきっかけによって発症します。燃え尽き症候群は一種のうつ病とも言われています。

「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」はアメリカの精神心理学者であるハーバート・フロイデンバーガーが1974年に定義した言葉です。元々は、医療職や介護職のような人と関わる職種で発症しやすい無気力症状のことであるとされていましたが、現在はもう少し幅広い意味で使われています。仕事に関してだけでなく、学生や主婦などどんな人でも燃え尽き症候群になる可能性はあります。

燃え尽き症候群の症状にはこのようなものがあります。

  • やる気が起きない
  • どんな物事にも無気力になる
  • 人と関わりたくない
  • 学校や仕事に行きたくない
  • 朝、布団から出られない
  • 特に理由もなくイライラする
  • お酒を飲む量が増える

燃え尽き症候群の要因

燃え尽き症候群の要因として、個人によるものと環境によるものが挙げられます。

個人による要因としては、完璧主義者だったり真面目で頑張り屋な人ほど燃え尽き症候群になりやすいと言われています。理想を求めて熱心に行動し、それがひと段落したときに燃え尽きる場合があります。仕事の例でいえば、年齢が若かったり仕事経験が浅い人ほど高い理想を持ちやすく、理想と現実のギャップを感じることで燃え尽き症候群になることがあります。

環境による要因としては、心理的・身体的な負荷がある場合に燃え尽き症候群になりやすいと言われています。仕事の例でいえば、厳しいノルマや長い労働時間によるストレスを抱えている一方で、正しく評価されなかったり、思ったような結果が出なかったりしたときに燃え尽き症候群になることがあります。

逆にいえば、すべての物事に対して適当な人は燃え尽き症候群にはなりません。特に負荷を感じない環境に身を置いていたり、十分な休息を取れている場合も燃え尽き症候群になる可能性は低いと考えられます。

燃え尽き症候群の事例1

Aくん(18歳・学生)

入りたい大学があったため高校で勉強を頑張った結果、第一志望の大学に合格。ようやく憧れていた大学生活がスタートしたと思ったら、なぜか急にすべての物事に対してやる気がなくなって虚無感に囚われてしまう。特にやりたいことも見つからず次第に大学の講義にも出なくなってしまった。

燃え尽き症候群の事例2

Bさん(50代主婦)

今まで家事や子育てなどを頑張り家族のために尽くしてきた。子どもが成長し自立したことで子育てがひと段落。やっと自分の時間を楽しめると思っていたが、なぜか気力が無くなりネガティブな考えがたくさん浮かんでくる。

 

これらは意欲的に取り組んでいたことが落ち着いたことによって燃え尽きてしまう事例です。燃え尽き症候群は決して特殊な症状ではなく、誰にでも起こり得ます。また、子育ての終わった主婦の場合は「空の巣症候群」とも呼ばれます。

 

燃え尽き症候群から回復するには

燃え尽き症候群から回復するには、以下のような方法が有効です。

  • とにかく寝る
  • ゆっくり休む
  • ストレス発散をする
  • 時間が経つのを待つ
  • 趣味など自分が好きなことに打ち込む
  • 家庭や職場などの環境を変える
  • 新しい目標を見つける

燃え尽き症候群は捉え方によっては「ただやる気が出ないだけ」と考えてしまいがちですが、重く捉えれば「うつ病と同じ」です。症状が続いているのに放置していると精神疾病や不眠症などの発症に繋がることもあります。自然と治るとも限らないので、心療内科へ行くことも検討してみましょう。

 

また、燃え尽き症候群になる前に予防することも有効です。物事に熱中しすぎる人ほどリスクが高いため、ストレスを溜めないよう適度に息抜きをすることを意識してみましょう。長期的に考えたときの幸福度を考えると「休息」はとても大切です。ストレスがあると感じたらしっかりと睡眠をとって身体を休ませつつ、友人と会話をしたり趣味に打ち込んだりして心をリフレッシュさせることを意識してみましょう。

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